にいがた災害ボランティアネットワーク

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岩手宮城訪問レポート

 今月7日から8日にかけて、宮城県栗原市、岩手県奥州市・一関市へ、現地視察及び社会福祉協議会様(以下、社協)へのご挨拶に行ってまいりました。
 以下、簡単に2日間の動向をまとめます。

[栗原市]
 一見したところ大きな被害は見受けられず、時々現れる道路の亀裂を避けながら、避難所になっていた花山地区のしゃくなげセンター及び仮設住宅を視察。
 外から見ただけでは被害状況がわからない分、潜在的なニーズや心理的ストレスへの配慮が大切。
 現在は週二回、サロン活動(お茶っこ会)を開催。住民の方の運動不足解消と気晴らしのため、敢えて仮設住宅から少し離れた場所にて行っているとのことです。

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↑道中のとても美味しいジェラート屋さん「あいすむら」と、水車の回る美しい小川。
 夕方からは栗原市社協様の会議に出席させていただき、発災から55日間の活動報告をお聞きしました。
 ボランティアセンターを立ち上げないという決断については、評価すべきだという外部関係者からの意見が多数でした。これは、常時からの住民同士の助け合い活動がしっかり機能していたことと、外からの支援によってかえって住民の不安をあおり、混乱を招く恐れがあったためです。
 被災者の自立度が低下している今、今後は小地域ならではのネットワークを生かした支援の仕方をもう一度検討し、被災地域・被災者の自立を促す働きかけ(エンパワメント)を重点的に行うことと、今回の地震での気付きを今後にどう生かすかが鍵、とのことでした。
 なお、6月より募集しておりました義援金は8万円集まり、この日、栗原市社会福祉協議会様にお渡ししてまいりました。ご協力くださった皆様に感謝いたします。ありがとうございました。

 市内のボランティアさんの協力で作った“がんばるベァー”。
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 熊のベアーと、訛の“べぇ”をかけたという、最高のネーミング。お茶っこ会で住民の方にプレゼントしたり、自衛隊の方に感謝の気持ちとしてプレゼントしたそうです。


[奥州市]
 岩手県社協様のご案内で、全社協の方と同行し、奥州市社協本所、奥州市社協胆沢支所を訪問。
 震災当日、陽が落ちて住民の不安感が高まってきた夕方の時間帯に一件一件電話で安否確認をし、大変喜ばれたというお話を伺いました。また、被害が少なかった住民の方にはうるうるパック(※)のパック詰め作業をお手伝いいただき、住民同士の交流を図ることができたようです。被害が大きくなく、余裕のある地域は、このような住民参加の活動も有意義だと思われます。
 震災から2か月近く経って、身体的にも精神的にも疲労が濃くなってきているこの時期、被災者に寄り添う距離感(近すぎず遠すぎず)に留意し、目で見えない潜在的なニーズへの配慮を忘れずに支援を継続していくとのことでした。

 ※うるうるパック・・・災害による被災者に、災害ボランティア活動支援プロジェクト会議から寄贈される救援物資。タオル、石鹸、マスク、ウェットティッシュ等がセットになったものです。

 退所後、道路被害のあった地域を視察。
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 4年前に施工した橋が無残な姿に。↑

 震災当時、住民に開放していた温泉。
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〇最後に…
 三市ともに緑豊かで大変美しい地域です。観光収入は、被災地の経済復興にとって大きな力です。ぜひ一度観光に訪れてみませんか。
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